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2016.09.28

今朝、ある席で自己紹介をする機会があり、日本育ちであることを話した。
すると、その場にいた中国人が「へぇ~」と驚きながら、「ひとつだけ日本語しゃべれるよ」と言った。
何度かこういうパターンを体験したけど、大抵こういうときは、「おはよう」「こんにちは」といった、教科書で習うような簡単な挨拶の言葉だったり、「バカ」「うるさい」といった、メディアで覚えたような悪口だったりするので、ふたつのパターンを想定しながら、「どんなの?」と聞いた。
ニコニコと笑いながら、「独島(韓国での竹島の呼び方)は韓国の島です」と言ったのだ。
呆気にとられ、内心どん引きしながらリアクションをとれずにいると、不審に思った周りの韓国人が「なんて言ったの?」と聞いた。
その子が意味を教えると、なんでもないように流したり、「そういうのやめなよ」と冗談のように茶化したりしていたけど、内心引いているのが分かった。
それに気づいていないのか、続けて「日本人観光客を見かけたら言うよ」とけろりとした顔で言うのだった。

本人に悪気があるわけでないのは分かったし、わたしを攻撃しているわけでもなかったのでその場は流したが、そのできごとが1日中胸の中で突っかかった。
正直、日韓の間にあるこういった政治問題や歴史問題に対してどう考えているのかという質問自体は、幼いころから聞かれてきたし、自分の中で模範解答はできあがっている。
大人になるにつれて、周りが気を遣ったり、逆にお互い本音をぶつけることはあった。
こういう煽ったような発言は、今までの人生の中で聞いた記憶がない。

韓国社会に入ることを決めたとき、こういう風に煽られたり、わざと気分を害してくるような人間がいることは知っていたし、覚悟をきめていた。
ところが、実際に入って見ると、社会や思想について扱う学術機関において、ひとつひとつの用語に気を遣う世界であることを体感したし、わたしの内面について聞く人たちも、慎重にそして丁寧に聞くことが多く、「偏見」や「差別」といった思想からは遠かった。
それは他のコミュニティにおいても同様だった。

だからこそ、今日のような発言は、覚悟はしていたものの、初めて体験することだった。
東アジア3ヵ国の関係について、その縮図を体感したし、その子自身の発言はある種のナショナリズム的な脈略からでたであろう。
でもやはり、わたしがその発言で引っかかったのは、日韓関係を第三者にかき回されたような気持ちになったからだと思う。
1日中ぐるぐると考えて、結局は「研究の参考になるかもしれないから、もう少し当人を含む周りの環境を観察してみよう」という結論なのだから、つくづく大学院の呪いにかけられている。
人間を100%理解することは不可能だし、人間を100%信頼するべきでないと思っている。
でも、人間が悪意だけでできているものではないし、人間同士の交流で生まれるものだってある。
わたし自身、人間に対してそう理解しているので、今後もどんな人と出会っても、100%信頼することもないし、100%嫌いになることもないであろう。


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課題をさくさくと終わらせ、本格的に忙しくなる前に街に出た。
急にパッタイが食べたくなり、ひとりごはんが前ほど不審な目で見られなくなったことをありがたがりながら、遅いランチをとった。
そのあとは買い物を済ませ、前から行ってみたいと思っていた「コインノレバン」に行ってきた。
「ノレバン」はカラオケのことなのだけど、去年あたりから流行っている、1曲500ウォン(あるいは2曲500ウォン)でさくっと歌えるお手軽なカラオケだ。
韓国のカラオケはルーム代制で、ひとりカラオケだと割高なので、コインノレバンはかなりありがたい。
カラオケで思う存分歌い、日ごろのストレスや、今朝のできごと、明日控えている2回目の矯正抜歯等の鬱憤をとばした。


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徴兵制が実施されている韓国において、迷彩柄をファッションで着る感覚は理解されない。
もちろんそんなことは分かっていて、ここに着てから迷彩柄を避けていたのだけど、今朝急に冷えており、何も考えずに手に持った上着がこれだった。
こんな格好で学校と街をうろちょろしたのだから、もちろん浮いていた。
しょうがないので、しばらくは封印。