2016.09.27

社会学者という職業を、ときどき因業だと思うことがある。自分にとって気持ちのよいもの、美しいもの、心温まるものではなく、むしろ不快なもの、むかつくもの、許しがたいものを対象に選び、なぜそうなるのか、その謎を理解しようとしてしまう執念に取り憑かれるからだ。そしてもちろん、その作業にはまっているあいだは、自分自身も気分の悪い思いを味わう。

この前読んだ専門書の、あとがきに書かれたこの言葉を読んで、共感をしたし納得をした。
「社会科学」という学問は、どうしても不快なものに執拗に向き合わなくてはならない。
深く知れば知るほど、目をそむけたくなる。
わたし自身が正直、研究職の道を選ぼうと積極的に思えないのにも、ここで書かれていることがほとんどの理由になっているのかもしれない。
なにか良い方向に変えたいという熱が自分にもあるし、それが研究をする原動力になっているけれど、疲れたときは「できれば誰かにやってほしい」という気持ちになる。
優秀な学者がこんなにいるんだから、わたしがやる必要はないのでは…?という気持ち。
「知れてよかった」と思うことが多いけど、知ると見て見ぬふりをすることが難しくなる。
だからこそわたしは、一生涯をかけて気分の悪い思いの中にいたくないと思う。
それと同時に、これを知ったわたしには、それを理解できる立場であるわたしには、これに向き合わなくてはならない責任があるとも思う。
社会科学を扱う全ての人たちは、程度の差はあれども、こういう似たような感情を抱いていると思う。

だからこそ、たまにこの場所から離れることも必要だと思う。
物理的に離れたり、気を許す人と会ったり、音楽や本の世界に行ったり。
わたしも浮き沈みをしながら、今いる自分の立場から逃げないように、この場所で戦う準備をしている。
こういう風に、自分が「戦わなくてはいけない」という立場をはっきりと理解したのは、高校生のときだと思う。
ある意味では「諦め」、別の言葉でいう「覚悟」をそのとき決めた。
わたしがたとえ、大学という場所から離れても、一生をかけて向き合うことなんだろうなぁという覚悟はとっくに決めている。


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秋の雨で体は冷え、夕方前にそそくさと帰宅。
抜歯を忘れるくらいには元気だ。




[M/V] 우주를 줄게 - 볼빨간사춘기
「宇宙をあげる」



Yerin Baek(백예린) "Across the universe(우주를 건너)" M/V
「宇宙を渡る」


「宇宙」をいうワードが入ったこの曲たち、もうタイトルからしてかわいい。
こっちにいると、自発的に韓国の曲を聴かなくなる。
テレビも見ないから、曲の情報源はほとんどカフェ。たまに人から。

「バラード聴きたいな」と思い始めたら、秋の始まりだと思う。



카멜(Camel) - 비만 오면 가끔(Official Audio)