2016.06.25
昨日、期末ペーパーをひとつ、提出できた。
あとひとつ残っているわけだけど、「せめて今日だけは」とノートパソコンも、本も持たずに学校の図書館で日本語の文庫本を借りた。
どうしようもなく日本文学に触れたくなる瞬間はよくあって、今日はその衝動を抑えなかった。
思ったよりも日本語の文庫本が置いてあって、すきな吉本ばななの著作を借りた。
『キッチン』は代表作だけど、実は初めて読んだ。
人生で起こるどうしようもないかなしみは『愛する人の死』だけど、そんなお話。
吉本ばななは死を取り扱う作品が多いな。
やさしくて、あたたかさが残る読後感だった。
『神様どうして?』って思いたくなる瞬間はどうしようもないけどあって、そんな瞬間を迎えるたびにやるせなくなるけど、そのやるせなさを克服する姿がとてもよかった。
幸福とは、自分が実はひとりだということを、なるべく感じなくていい人生だ。
「そうね……私に。」できることがあったら言ってね、と言うのをやめた。ただ、こういうとてもあたたかい場所で、向かい合って熱いおいしいお茶を飲んだ、その記憶の光る印象がわずかでも彼を救うといいと願う。
なぜ、人はこんなにも選べないのか。虫ケラのように負けまくっても、ごはんを作って食べて眠る。愛する人はみんな死んでゆく。それでも生きてゆかなくてはいけない。
特にすきな場面。
生きることは絶望でもあり、希望でもあると思う。そう思いたい。
ここ最近、人と出会うことが多くて、とてもわくわくしている。
人と関わることって大事だな。
活力をもらえる。
- 作者: 吉本ばなな
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