2016.03.27
ソウルに来てから2か月、入学して1か月が経とうとしている。
1日1日は早く過ぎていくのに、1週間流れるのが遅いと、この前同期とも苦笑した。
もともと別のところでブログをやっていたけれど、もっとかしこまってしっかりと文章にしたいと思って、このタイミングで移行してみた。
日本語を使う機会はなかなかないし、ちゃんと脳内言語も韓国語に切り替えなくては、って思うけど、まだまだ思考力とか理解力は日本語をベースにしないと周りに追いつけないので、日本語からは離れられない。
先週、発表が2つ終わった。
ひとつの授業につき、1~2回はまわってくるらしいけど、とりあえず肩の荷が下りた。
ここに来てから、韓国語に対する自信がすっかりなくなってしまって、ネガティブになってしまったけど、同期、先輩方に韓国語チェックしてもらったり、励まされたりしながら、なんとか終えることができた。
「文化人類学」を専攻している、というと、よく「何をする学問なの?」と聞かれる。
詳しくはグーグル先生に聞けばわかると思うが、一言でいえば「マイノリティを世に広める学問」である。
私は「民族的マイノリティ」を研究対象としているが、研究室の中には、都市開発によって生まれる「貧困層」だったり、フェミニズムやLGBTの「性的マイノリティ」だったり、労働者だったり、宗教者だったりと、本当に人によってさまざまだ。
同じ研究室内でバラバラな研究をしている学問も珍しいという。
そのせいか、他の大学院と違って、競争がない。
このおかげで、とにかくお互い面倒をみるし、お互いの研究を通して勉強したり、お互い研究しあったりしている。
ここに来て、まわりが優秀な「インテリ層」であまりに自分と脳のつくりや知識の幅が違うことを実感して、落ち込んだり焦ったりもするが、私が理解するまで付き合ってくれたり、いやな顔せず教えてくれたりする。
本当に環境に恵まれていると実感する。
来月からグループ別研究もはじまり、足をひっぱらないように、しっかりと勉強しなくては。
マリノフスキもギアツもロサルドもクリフォードも、まだまだなかよくなれるかは分からない。
理論書を読むことはとても疲れるけど、何回も読んで、よく分からないまま論評を書いて、他の人の意見や教授の講義を聞いて、やっと理論の脈をつかんで理解できたとき、達成感と世界の仕組みを垣間見たような発見は、なかなか癖になる。
つらくても、しんどくても、それでも食らいつける理由だ。
研究室の私の机。
本棚に本が埋まっていくたびに、うれしい(読み終わった本だけ置くつもり)。