2017.05.08
神様が大地と水と太陽をくれた
大地と水と太陽がりんごの木をくれた
りんごの木が真っ赤なりんごの実をくれた
そのりんごをあなたがわたしにくれた
やわらかいふたつのてのひらに包んで
まるで世界の初まりのような
朝の光といっしょに何ひとつ言葉はなくとも
あなたは私に今日をくれた
失われることのない時をくれた
りんごをみのらせた人々のほほえみと歌をくれた
もしかすると悲しみも
私たちの上に広がる青空にひそむ
あのあてどないものに逆らってそうしてあなたは自分でも気づかずに
あなたの魂のいちばんおいしいところを
私にくれた谷川俊太郎
「魂のいちばんおいしいところ」
メンタルがどん底のときに、ただ私が話す言葉を静かに聞いてくれた。
泣くことを許してくれた。
魂のいちばんおいしいところを受けとった。
谷川俊太郎さんのこの詩こそ、私の知る愛の美しい姿だ。
温かくて眩しい詩。
今日はこの言葉のような、温かくて眩しい言葉を受けとった。
いろんなことはあるし、私はきっとこれからも負け続けて、メッタメタに落ちこむであろう。
そんな私にも、一筋の光どころか、太陽のような言葉をもらった。
負け続けても、がんばります。