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2017.04.27

昨日のことで気分は落ちていたけど、助教の仕事があるので重い体を引きずって学校へ。
憂鬱な原因を先輩に話していたら、「なんで今日学校に来たの?そういうときは休みなよ!」と。

それもそうか、と。どちみち、この状態で何もできない。
仕事を切り上げ、研究室を飛び出した。


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恵化洞エリアに来たのは久しぶりだ。
ネットで見かけて気になった、ビーガン向けのケーキ屋さん。

素材のやさしい味がして、オーナーが丁寧に作っていることが伝わった。
帰り間際、来月移転することを教えてもらったけど、私の家の方に近くなってうれしい限り。

少しだけ、自分のために贅沢な時間を使い、頭痛がするので早めに帰宅した。


一千一秒の日々 (角川文庫)

一千一秒の日々 (角川文庫)

図書館で借りた、島本理生さんの『一千一秒の日々』。
私は、本に関しては強いこだわりがなくて、作家読みよりもそのときどきの気分で選ぶけれど、唯一作家読みするのが島本理生さんなのかもしれない。
この本も昔読んだけれど、久しぶりに彼女の本が読みたくなって手を伸ばした。

島本理生さんの作品に惹かれるのは、彼女の描く人間がすきだからなのかもしれない。
「隙の多い人」と評したけれど、空間を和らげたり、どうしようもない暗闇に引っぱる人物がよく登場する。
そんな危うさに惹きつけられてしまうし、その弱さに共感したりもする。
そして、そういう人たちを救う一筋の光を、心底うらやましいとも思う。

昔この本を読んだときは、あまり印象に残らなかったけれど、その頃よりも時間を重ねた今の自分には、彼女たちの感情に共感する部分もあったり、魅力的に見えたりした。
やはり私は、彼女の作品に登場する「人間くささ」がすきらしい。

「がんばったんだけど、ダメだった。なんでだろう、どうしてこんなふうになったんだろう。(…)自分がなにもかも悪いような気がしてたまらなかった。夜が長すぎて、淋しいよりも悲しいよりも怖かった。朝が来たのに新しくならない、眠るのも全部をリセットするんじゃなくて、ほんの数時間だけ見ないふりさせてくれるだけで、でも、何度も楽しかった頃のことが夢に出てきて、たまらなかった」


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「加納君はよく、そういうふうにすべて自分の責任みたいな言い方をするけれど、私はべつに助けてほしいと思っていなかったよ。ただ、いつも君が申し訳なさそうな表情をしていることのほうがつらかった。家族のことだって。あまり両親が上手くいっていない、いっていない、ていう言葉のくり返しで。君が殻の中にいて、私はいつもその外側にいるみたいだった。大変だったら手助けしたいと思うのはわたしだって同じだったんだよ」
そう言うと、加納君は苦笑して
「そこが男と女の違いなのかもしれないな。なにか問題があったとき、男の場合はだれかに話したりせずに一人で考えたいと思う傾向が強いらしいんだ。だけど女の人は逆で、話して発散しようとするんだって、君と僕がすれ違ったのはそういう考え方の相違も原因だったのかもしれない」
なるほどね、と私は少し感心して頷いた。