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2017.02.23

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遠くに行きたいと思いながら、どこかに定住したいと思う。
身軽な人間でありたいと思いながら、すぐに依存をしてしまう。
誰かといるのを煩わしく感じるくせに、ひとりでいるのは寂しいと思う。
自由がほしくても、何もない自分を惨めに思う。
私の抱える矛盾はひどい。
自分の中の性質の悪い心をぼんやりと意識しながら、本を持ち、家を飛び出した。

焼きたてのパンと、温かいカモミールティーを飲みながら、ほっと一息をつく。
おいしいと評判のパン屋さんだったけど、たしかにおいしかった。
パンに関しては、バイトのおかげで無駄な知識がついているけど、ここのパンはちゃんとおいしいと思う。
おいしいものは心も満たす。
カバンの中に突っ込んだ2冊の本で過ごす午後。

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私の矛盾した気持ちにヒントを与えてくれたのは、意外な本だった。
学校の図書館で見つけた、『星の王子さま』の日韓対訳版。
読み比べたらおもしろいかも、と気軽な気持ちで手に取ったけど、そういえばこの本をちゃんと読むのは初めてだ。

私は、いつも勝手に理想を創りあげて、なおかつそれがどこかに落ちていないかと探していた。
それは人に対してであったり、環境に対してであったり、自分自身に対してであったり。

「では、秘密をお教えします。とても簡単です。心で見たらよく見えます。大切なことは目には見えないんです。」
「大切なことは目には見えない。」王子さまは、忘れてしまわないようにこの言葉を繰り返した。
「あなたはバラのために時間を費やしたから。その分、あなたにとってバラは大切になったんです。」
「僕が花のために時間を費やしたから…」王子さまは忘れないように繰り返した。
「人々はこの心理を忘れています。」キツネが言った。
「だけど、あなたは忘れないでください。もう、あなたはあなたが慣らした全てのものに対して最後まで責任を持たねばならないんです。あなたは、ご自分のバラの花に責任があります…。」
「僕は、バラの花に責任がある…」王子さまはまた繰り返した。


運命の人なんてものは、待っていても現れない。
理想の場所なんて、探しても見つからない。
私がひとつずつ向き合って、時間を費やして、慣らしたものがそれになる。

そんな、当たり前なことのはずなのに、すぐに頭から消えてしまうことを思い出せた。
なるほど。この作品がいつまでも名作と言われる理由だ。


「もっと周りに向き合って、自分に向き合って、ひとつずつ楽しむ」ということを、昨年末くらいから自分の目標にしているのだけど、結局一周して同じところにたどりついた。
答えは同じか。
でも、こんなに頭でわかっていても、なかなかできないのか。
ひとりでループしていることがもどかしいけれど、あせらず、ちゃんと向き合っていきたい。
本当は、こんな風に大げさに構えることじゃないかもしれないけど。
時間をもっとほのぼのと過ごせるように、と再び心にきめた今日一日のことだった。


余談だけれど、こっちのスターバックスで季節メニューで出ている「カモミールアップルティー」が本当においしい。
最近はすっかりコーヒーよりティー派になり、価格を気にしつつホットティーを飲むようにしているけど、このカモミールアップルティーなるものは、大好きなハーブティーとフルーツティーの両刀ものなのだから、屈服するしかない。
季節メニューなのが残念だけど。